2010 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の初期発生段階における遺伝子調節ネットワークの予測とシミュレーション
Project/Area Number |
21510214
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
真栄城 哲也 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (30361356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 將弘 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (50388112)
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Keywords | 線虫 / 遺伝子調節ネットワーク / 機能予測 / シミュレーション / マイクロアレイ |
Research Abstract |
線虫のDNAマイクロアレイデータ実験について,線虫の同調精度を高める実験方法を確立し,これまでの実験に加え,統計的な精度を増すために,10分間隔のゲノムワイドな遺伝子発現データの実験を2セット実施した.また,マイクロアレイデータの計測手法がより感度の高い方法となったため,これまでの計測手法との比較のための実験を行った.線虫C.elegansの初期胚発生について,このような短い時間間隔の発現データは見当らず,本研究によって計測された高精度なデータは,より詳細な遺伝子調節ネットワークの推測や,遺伝子間の相互作用関係の理解を探るために重要である. このマイクロアレイデータを用いて,遺伝子調節ネットワークのシミュレーションを行い,遺伝子調節関係を予測するが,予測ネットワークの候補数を絞るために,ネットワーク構造の尤もらしさを計算する方法を提案した.この尺度によって,必要とする精度に依存するが,遺伝子調節ネットワーク候補数を10%程度に絞ることが可能である.この尺度は,ネットワークの動的な特性を計測し,ネットワークに注入された刺激が時間とともに伝搬する様子を定量化する.一方,本研究のデータベースとシミュレーションの両者で用いる遺伝子調節関係の表現モデルを改良し,これまでは表現が困難だった遺伝子調節関係の表現に対応した.このモデルは,本研究で用いる遺伝子ネットワークシミュレータのアーキテクチャに適しており,表現とシミュレーションが一体化されたモデルであるため,静的および動的な特徴が同時に表現できる利点を持つ.
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