2011 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の初期発生段階における遺伝子調節ネットワークの予測とシミュレーション
Project/Area Number |
21510214
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
真栄城 哲也 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (30361356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 將弘 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (50388112)
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Keywords | 線虫 / 遺伝子調節ネットワーク / マイクロアレイ |
Research Abstract |
線虫のDNAマイクロアレイデータ実験について,これまでに実施した2種類の実験手法によるデータを統合して解析可能かを調べるために分析した.これは,マイクロアレイの製造会社が計測の実験手法を変更したためである.この解析は,これまでに蓄積した遺伝子発現データを,今後の研究で得られるマイクロアレイデータと比較する際に重要である.特に,本研究で用いる手法では遺伝子発現量に基づいて調節関係を予測するため,その詳細は重要である.発現量の計測値の変動範囲を遺伝子毎に計算し,分類した.この結果は,異なる実験条件で得られたマイクロアレイデータの統合的な解析に応用できる.これまでに確立した線虫の同調精度を高める実験方法で得たマイクロアレイデータを用いて,遺伝子調節ネットワークのシミュレーションを継続して行い,遺伝子調節関係を予測した.その際に必要な予測ネットワークの候補数を絞る過程では,ネットワーク構造の尤もらしさを計算する方法を用いる.この方法を改良し,ネットワークの大局的な特徴と,局所的な特徴を併用して扱い,精度を向上させた.大局的な特徴は,これまでの信号伝搬パターンを用いる.局所的な特徴は,ノード間の結合密度に基づいて抽出するクラスタ毎に,信号伝搬パターンを用いる.さらに,これらの処理のアルゴリズムを改良し,計算速度を向上させた.本研究のデータベースとシミュレーションの記述は,同じ遺伝子調節関係の表現モデルを用いている.表現とシミュレーションが一体化されたモデルであるため,静的および動的な特徴が同時に表現できる利点を持つ.この表現モデルは,従来とは異なるモデルである.このモデルが既存のデータベースシステム上で動作するように,基本的な記述の一部を移植した.
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