2009 Fiscal Year Annual Research Report
メチル化アルギニンを介した母胎間ケミカルコミュニケーションの解析
Project/Area Number |
21510222
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加香 孝一郎 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60311594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 純治 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 研究員 (30323257)
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Keywords | メチル化アルギニン / タンパク質アルギニンメチル化酵素 / ケミカルコミュニケーション / 高感度定量分析法 / 質量分析法 / 一酸化窒素合成酵素 |
Research Abstract |
1.メチル化アルギニンの高感度分離系の確立 既に従来のODS系の逆相カラムに加え、アミノ酸の蛍光試薬として用いている6-aminoquinolyl carbamate(AccQ-tag)が、ナフチルエチル基導入型ODSカラム(πNAIPカラム)と強いπ-π相互作用を示すことから、特異的かつ鋭敏にメチル化アルギニンを分離できることを見出している。そこで蛍光試薬で標識したメチル化アルギニンのHPLCによる分離、さらには超高速HPLC(UPLC)による更に精密な分離系を確立した。また分子量が同一であるため判別が難しかったADMAとSDMAについてMALDI-OIT-TOF MSを用いることにより同定できることを確認した。 2.線虫におけるアルギニンメチル化酵素変異体におけるアミノ酸分析 線虫におけるタンパク質アルギニンメチル化酵素の候補と考えられる遺伝子を欠失した変異体について、上記技術を用いて全タンパク質の加水分解物を分析した。その結果、野生型と比較して本変異体の加水分解物にのみ消失しているピークが得られたので、MALDI-QIT-TOF MSにより詳細に分析したところ、そのピークがメチル化アルギニンであったことから、この遺伝子がアルギニンメチル化酵素をコードしていることが生化学的にも立証された(未発表データ)。この変異体は、野生型の線虫に較べ寿命が有意に短くなるという表現型を示すことから、今後タンパク質アルギニンメチル化と寿命制御についても研究を展開する予定である。
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