2010 Fiscal Year Annual Research Report
メチル化アルギニンを介した母胎間ケミカルコミュニケーションの解析
Project/Area Number |
21510222
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加香 孝一郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60311594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 純治 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (30323257)
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Keywords | メチル化アルギニン / タンパク質アルギニンメチル化酵素 / ケミカルコミュニケーション / 高感度定量分析法 / 質量分析法 / 一酸化窒素合成酵素 |
Research Abstract |
1.タンパク質分解によるメチル化アルギニン生成機構の解析 メチル化タンパク質の分解が、ユビキチン・プロテアソーム系またはオートファージー系のどちらに担われているのかを明らかにするために、それぞれの経路特異的な阻害剤を用いて前年度に確立していた特異的かつ鋭敏なメチル化アルギニンの高感度分析系により細胞内の遊離メチル化アルギニンの測定を行った。その結果、ユビキチン-プロテアソーム系及びオートファージー系の両方を介してメチル化タンパク質の分解→遊離メチルアルギニンの生成に至ることを明らかにした(Mol.Med.Rep.in press.)。 2.線虫におけるアルギニンメチル化酵素変異体におけるアミノ酸分析 線虫におけるタンパク質アルギニンメチル化酵素の候補と考えられる遺伝子(prmt-1)を欠失した変異体について、上記技術を用いて全タンパク質の加水分解物を分析した。その結果、野生型と比較して本変異体の加水分解物にのみ消失しているピークが得られたので、MALDI-QIT-TOF MSにより詳細に分析したところ、そのピークがメチル化アルギニンであったことから、この遺伝子がアルギニンメチル化酵素をコードしていることが生化学的にも立証された。さらに上記遺伝子産物であるPRMT-1は、寿命に関連する転写制御因子DAF-16のAKTによるリン酸化を抑制することで、線虫の寿命を制御していることを明らかにした(Cell Metab.in press)。
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Research Products
(5 results)