2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼを網羅的に検出する抗体の新しい活用法とその応用研究
Project/Area Number |
21510226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
亀下 勇 Kagawa University, 農学部, 教授 (60127941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 紀行 香川大学, 農学部, 准教授 (90346635)
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Keywords | プロテインキナーゼ / 網羅的解析 / モノクローナル抗体 / バイオテクノロジー / 糖尿病 / インスリン分泌 / 二次元電気泳動 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究課題実施期間の初年度には、マルチPK抗体の活用法に関して、以下に示すように一定の成果を得ることができた。 (1) マルチPK抗体を用いた未知PKの同定法の確立 研究計画に記載したゲル内でのブロムシアン分解を導入した二次元電気泳動法により、分離したPKスポットをマルチPK抗体を用いて検出する手法について最適条件を検討した。その結果、大腸菌で発現させたCaMキナーゼIIやDoublecortin-like protein kinaseなどを用いた解析により、この手法がPKの同定法として有効に活用できる可能性が示された。 (2) INS-1細胞においてインスリン分泌に関連するPKの解析 INS-1細胞は、ラット膵臓β細胞腫瘍由来の培養細胞であり、糖尿病研究におけるモデル細胞としてしばしば利用されている。このINS-1細胞を高濃度(11.2mM)のグルコース存在下に培養するとインスリン分泌の増大と比例して発現量が顕著に増加する63kDaのPKが見出された。このインスリン分泌に深く関与する可能性のあるPKを同定するために、今回開発した手法が利用できるかどうか試してみた。この二次元泳動において、マルチPK抗体の認識部位を含むペプチドのサイズが約19kDaであることが判明した。またミクロロトフォアにより決定したこのPKの等電点が約5であることも考慮にいれてデータベースで検索したところ、このPKはCaMキナーゼIVであることが判明した。CaMキナーゼIVの発現とインスリン分泌との関連を説明するための分子メカニズムについて詳細な解析を行い、その成果を学術論文として発表することができた。
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