2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼを網羅的に検出する抗体の新しい活用法とその応用研究
Project/Area Number |
21510226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
亀下 勇 香川大学, 農学部, 教授 (60127941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 紀行 香川大学, 農学部, 准教授 (90346635)
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Keywords | プロテインキナーゼ / 網羅的解析 / シグナル伝達 / バイオテクノロジー / モノクローナル抗体 / インスリン分泌 / 糖尿病 / キノコ |
Research Abstract |
本研究課題実施期間の2年目である平成22年度には、マルチPK抗体を用いた研究により、以下に示した成果を得ることができた。 ・糖尿病の発症とリンクして発現するプロテインキナーゼ(PK)の解析 糖尿病モデル細胞として知られるINS-1細胞を用いた実験から、インスリン分泌に密接に関わるPKとして、CaMキナーゼIVを同定し、詳細な解析を行い2011年に学術論文として発表した。また、糖毒性を引き起こす高糖濃度において顕著に発現量が増大する2種類の高分子PKを、マルチPK抗体により検出し、その解析を開始した。これらのPKは、推定分子量ならびに等電点からデータベース検索を行い、MRCKとROCKであることが推測されたので、クローニングを行うとともに、その解析を進めているところである。また、2型糖尿病モデルラットであるOLETFとその対照ラットとなるLETOの各臓器に発現するPKについて、マルチPK抗体を用いたウエスタンブロッティングによるプロファイリングを行った。糖尿病の発症にともなって膵臓において、58kDaのPKの著しい発現量低下が見られたことから、このPKと糖毒性の発症との関わりについて解析を進めているところである。 ・キノコの菌糸体に発現するCoPK32の機能解析 マルチPK抗体を用いた発現クローニングにより、CoPK12とCoPK32を取得したが、これらのうちCoPK12については、酵素化学的性質を明らかにしており、すでに論文を発表している。本年度は、もう一方のCoPK32について解析を行った。CoPK32は、菌糸体の成長先端に特に豊富に存在するPKであり、菌糸の成長と密接に関わるPKであることが示された。また、その他の解析から、CoPK32は、浸透圧刺激などのストレスに応答性を示すMAPKAPKのキノコホモログであることが明らかになった。
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