2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼを網羅的に検出する抗体の新しい活用法とその応用研究
Project/Area Number |
21510226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
亀下 勇 香川大学, 農学部, 教授 (60127941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 紀行 香川大学, 農学部, 准教授 (90346635)
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Keywords | プロテインキナーゼ / シグナル伝達 / 網羅的解析 / バイオテクノロジー / モノクローナル抗体 / キノコ / ゼブラフィッシュ / 胚発生 |
Research Abstract |
本研究課題実施期間の最終年度である平成23年度には、以下に示す研究成果を得た。 ・キノコ菌糸体に発現するCoPK12の局在と機能解析 マルチPK抗体を用いた発現スクリーニングにより、キノコ菌糸体から見出されたCoPK12の細胞内局在について解析を行った。CoPK12は、CaM依存性プロテインキナーゼであることが判明しているが、細胞質ではなく、主に細胞膜に結合した形で存在する。可溶性酵素と考えられていたCoPK12が、膜結合性を示す原因を探る目的で、CoPK12の様々な変異体酵素を作製し解析したところ、アミノ末端領域がミリストイル化されていることが明らかになった。このミリストイル化の生理的意義については、さらに解析を進めているところである。 ・ゼブラフィッシュの胚発生に与するCaMキナーゼの解析 ゼブラフィッシュの胚発生過程において発現するプロテインキナーゼとして見出されたzCaMKIδの解析を行った。zCaMKIδにはC末端配列の異なるzCaMKIδ-Sとδ-Lの2種類のスプライスバリアントが存在した。これらのスプライスバリアントの比較解析を行い、ノックダウン実験により胚発生に必須のキナーゼであることを確認した。さらに、zCaMKIδ-L/Sとは異なる新規zCaMKIδ-LLアイソフォームを見出し、その解析を行った。zCaMKIδ-LLは、ヒレに発現するという特徴を示し、アンチセンスを用いたノックダウンによりヒレの発達異常が見られた。このヒレの異常は、精製zCaMKiδ-LL.を同時にインジェクションするとレスキューされた。これらの結果から、zCaMKIδ-L/SもzCaMKIδ-LLもゼブラフィッシュの胚発生において重要な役割を果たすキナーゼであることが示された。
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