2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性を制御する多機能タンパク質複合体の構造と機能
Project/Area Number |
21510228
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
川崎 博史 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (70169704)
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Keywords | プロテオミクス / タンパク質 / 複合体 / 細胞極性 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
細胞の非対称分裂に代表される細胞極性は、様々な生命機能の発現の根幹にある重要な現象である。本研究では、出芽パターンの決定に関与する多機能タンパク質複合体(KEOPS/EKC複合体あるいはBud32複合体とも呼ばれている)の翻訳後修飾やタンパク質間相互作用の解析によって、出芽酵母の細胞極性の決定、発現に関わるプロテオームの機能ネットワークを明らかにする。本年度は、以下に述べるような成果を得た。 Bud32と相互作用するタンパク質を新たに検出する方法として、Split GFP法を検討した。これは、GFPのN末端断片とC末端断片を別々のタンパク質に融合させ、相互作用があったときにGFP蛍光が検出できる方法である。Bud8とRax2との相互作用検出に応用し、細胞内での相互作用部位を特定できたので、この相互作用について詳しく解析し、論文として発表した。近傍タンパク質への標識転移のために、より特異的にGFPシグナルを得ることができるため、この系での光増感を検討している。iTRAQによる定量プロテオミクス解析で、リボソーム関連分子がBud32欠損株と野生型株で大きく変動していることを昨年度に見出したが、最近、この多機能タンパク質複合体がRAN修飾を通じて翻訳制御に関わるという報告がなされたので、それとの関連に注目しながら再度解析をやり直している。また、リン酸化を簡便に効率良く検出するために、チタニアなどコートしたMALDIプレートも用いてリン酸化ペプチドを選択的に濃縮する方法を検討した。いくつかの金属酸化物をコートしたプレートでのリン酸化ペプチドの分析が可能なことや、チタニアの薄層の生成法についても検討した。
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Research Products
(4 results)