2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物天然物代謝の柔軟性の基盤解析とマメ科モデル系の生合成エンジニアリング
Project/Area Number |
21510233
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
綾部 真一 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (40050679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊夫 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (80287606)
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Keywords | 植物天然物 / 二次代謝 / 生合成 / 酵素 / 遺伝子 / ミヤコグサ / フラボノイド / トリテルペノイド |
Research Abstract |
植物天然物の構造の多様性の要因を,生合成構造遺伝子の重複と変異による酵素機能の拡大・変化の観点から探るため,マメ科モデル植物ミヤコグサのフラボノイド代謝系2-オキソグルタル酸依存ジオキシゲナーゼ(2ODD)遺伝子の解析を行った。ゲノム情報とディジェネレートPCRにより3種類のフラボノール合成酵素(FLS)および2種類のフラバノン3-ヒドロキシラーゼ(FHT)のcDNAを得,大腸菌で発現させて一部重複する触媒機能の概略を明らかにした。またマメ科の種によりイソフラボン4'位の修飾が2種類に大別されることの要因である2-ヒドロキシイソフラバノン脱水酵素(HID)の基質特異性を,異なるマメ科植物由来のHID間の構造比較と変異タンパク質による機能解析によって検討し,重要なアミノ酸残基を推定した。一方キク科植物シオンよりディジェネレートPCRにより得られた新規オキシドスクワレン環化酵素(OSC)のcDNAについて酵母発現系での機能解析を行い,きわめて複雑な骨格形成過程を触媒するシオノン合成酵素と同定した。既知OSCとの配列比較と反応機構の考察より,祖先型OSC遺伝子からの進化過程を推定した。一方二次代謝遺伝子の発現状態の変化や変異遺伝子の発現による植物代謝の柔軟な変動を検討するため,ミヤコグサの毛状根培養系を用いた酵素遺伝子の導入を行った。ミヤコグサ自身の2つのタイプのカルコン異性化酵素,ポリケタイド還元酵素や上記2ODDなどの(イソ)フラボノイド系の酵素の過剰発現,発現抑制体を作製した。予定していた当該年度中の大量培養には至らなかったが,成分変化を検討し今後の変動成分の同定に向けた準備を整えた。
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Research Products
(10 results)