2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510235
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
太田 伸二 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60185270)
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Keywords | 海綿 / ヒトデ / 発生阻害 / 孵化阻害 / ポリアセチレン |
Research Abstract |
鹿児島県奄美大島近海で採取した海綿Petrosia solidaの水溶性画分から単離した新規長鎖ポリアセチレンの平面構造をNMRおよびMS等のスペクトルデータに基づいて決定した。また、petroacetyleneと命名した別の新規ポリアセチレンをCeCl_3共存下でNaBH_4と反応させて、4個のケトンが還元されたテトラオール体に導いた。このテトラオール誘導体は、元の天然物よりも低濃度でヒトデ胚の発生を胞胚形成の段階で停止させることがわかった。またさらに、屋久島産の未同定海綿から、2種のビサボラン型セスキテルペノイド類とともに1種の新規物質を単離した。この新規物質は、(+)-および(-)-ESIMSでm/z319[M+H]^+および317[M-H]^-にそれぞれ擬分子イオンピークを示したことから、分子量318の化合物とわかった。さらに、(-)HRESI-TOFMSの結果から、分子式をC_<20>H_<30>O_3と決定した。さらに、IR、UV、1次元および2次NMRスペクトルデータに基づいて、その構造を新規ジテルペノイドと決定した。この新規ジテルペノイドは、1.6ppm以上の濃度でイトマキヒトデの原腸胚形成を阻害した。さらに、鹿児島県硫黄島産の未同定海綿のメタノール抽出物がイトマキヒトデ胚の孵化を阻害することを見出し、阻害活性を指標にして分画した結果、4種のピリジンアルカロイド類を単離した。これらは、各種スペクトルデータの解析に基づき、分子量274、300、304、および314のいずれも3-ピリジル基を有するアルカロイドであることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)