2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線源を利用した高性能微弱光源による発光溶液の新領域応用に関する研究
Project/Area Number |
21510238
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (70415793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 一樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30443211)
加藤 太一郎 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (60423901)
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Keywords | 放射線 / シンチレータ / 光測定 / 光電子増倍管 / 積分球 / 光ファイバー |
Research Abstract |
本研究課題では、ルミノメータのような微弱光測定器の感度測定を高精度に行うことを目的として、シンチレータと放射線源を利用した安定的な高性能微弱レファレンス光源を作製し、発光反応やシンチレータからの光スペクトルを高精度に定量できる測定システムの開発を行った。本研究課題の最終年度である本年度は、プロトタイプの測定システムを構築し、市販の発光測定装置の校正までを実証した。プロトタイプ測定システムは、6インチ積分球とその内部にシンチレータ、その外部にγ線源を設置することで構成され、全体を鉛遮蔽体で覆った構造になっている。6インチ積分球には、10mm直径光電子増倍管とプラスチックファイバをライトガイドとしたスペクトロメータが取り付けられた。スペクトロメータは、シンチレータからのスペクトルと積分球内での吸収スペクトル補正を行うために用いられた。シンチレータとしては効率の大きなBGOに加えプラスチックなど5種類を試験した。γ線源として法規制以下の370kBqCs-137またはCo-60線源を用いた。積分球内でのガンマ線フラックス分布は、MCNPモンテカルロシミュレーションによって求めた。BGOシンチレータを利用したガンマ線測定によっても検証された。 最終的な発光溶液のような溶液状の光源の発光量を微弱光測定器で測定するために、液体シンチレータとガンマ線線源を利用できるようにした。 最終的に、シンチレータを用いた安定的な光源が開発されたことにより、微弱光測定器の感度校正を行うことが可能になった。また、シンチレータによる発光量は、ガンマ線源の設置位置が同じであれば、ガンマ線源の半減期のみに依存するために、微弱光測定器側の変化を詳細に把握できるようになり、今後の生物分野における発光溶液の測定の信頼性が大きく向上できたと考えられる。
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Research Products
(4 results)