2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510246
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
草桶 秀夫 福井工業大学, 工学部, 教授 (50169976)
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Keywords | ゲンジボタル / ヘイケボタル / 遺伝的多様性 / 生物多多様性 |
Research Abstract |
これまでの著者らの研究で、ゲンジボタルのND遺伝子の塩基配列に基づき、ハプロタイプグループは、分布域の異なる8つのグループに分けられた。これらの8つのゲンジボタルの地域集団は、それぞれ遺伝的多様性が高いことを明らかにしている。ゲンジホタルは、水のきれいな環境に生息し、環境師保養生物となっている。ホタルは、夏の風物詩となっており、ホタルの保護や保全活動を行うことは、意義がある。そこで、限定された地域における遺伝的多様性と地域集団の遺伝的分化について調査することは、ホタルの保護や環境保全という観点から意義がある。そこで、平成21年度は、限定された地域として福井県の4つの一級河川水系をモデル系とし、これらの河川水系に生息するゲンジボタルの遺伝的多様性と遺伝的分化について調査した。その結果、ゲンジボタルが一級河川水系域において高い遺伝的多様性を示すことが明らかにされた。 平成22年度は、ゲンジボタルの遺伝的多様性解析の成果を踏まえ、ゲンジボタルの場合と同様に、4つの1級河川水系における遺伝的多様性解析を行った。4地域27個体のヘイケボタルについて、ND5遺伝子の768bpの塩基配列を決定した。その結果、10個のハプロタイプが検出された。また、これらの地域間でハプロタイプネットワーク樹を作成したところ、嶺北地域と嶺南地域では遺伝的集団の分化が起きていることが示唆された。これらの結果は、ヘイケボタルはゲンジボタルの場合と同様に、地域固有のホタルを保護する点からも、保護活動を行うことが望まれる。 以上のことから、ヘイケボタルは局所的に見ても生物多様性の高い生物であることが示唆された。
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Research Products
(10 results)