2009 Fiscal Year Annual Research Report
宮崎県のオオスリバチサンゴにおける病気の原因究明と保全
Project/Area Number |
21510247
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山城 秀之 Okinawa National College of Technology, 生物資源工学科, 教授 (80341676)
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Keywords | サンゴ / 病気 / 細菌 / 宮崎県 / オオスリバチサンゴ |
Research Abstract |
宮崎県沖合の日向灘に棲息する温帯系サンゴの一種、オオスリバチサンゴTurbinaria peltataに原因不明の斑点状の病変が確認され、最終的には壊死により死亡している。温帯域の優占種のオオスリバチサンゴの病気の原因解明と保全を行うのが本研究の目的である。 平成21年度は、本種に見られた現象をホワイトスポットシンドロームWhite Spot Syndromeの名称で新規のサンゴの病的現象として記載を行った(Yamashiro & Fukuda, 2009 Coral Reefs誌))。特徴は共生藻密度の低下を伴う直径1cmの斑点状であること、本種のみに見られることである。 平成21年度に実施したのは、(1)現場の水温や栄養塩類(アンモニウム態窒素他、リン酸)の測定、(2)パラフィン切片を作製しての組織学的検査、(3)病変部から細菌を分離して遺伝子解析、(4)今後の本種の保全対策を想定した移植実験とモニタリングである。 現場は沖合にあり、栄養塩濃度は比較的低く健全な環境である。病気は夏場に拡大し、水温の低下する冬場には縮小傾向にあった。海水および病気の箇所から、ビブリオ菌を始め様々な細菌の分離同定ができたが原因菌等の特定には至っていない。また、細菌等がサンゴ組織のどこに存在し、なぜ局所的な白化を生じるのかについても依然不明のままである。実験に使用したサンゴ片を用いて移植およびその後のモニタリングを継続している、移植についてはサンゴ礁域とは異なり岩盤が強固なため、水中ボンドを用いた接着法が最も適していた。
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Research Products
(3 results)