2010 Fiscal Year Annual Research Report
宮崎県のオオスリバチサンゴにおける病気の原因究明と保全
Project/Area Number |
21510247
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山城 秀之 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 教授 (80341676)
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Keywords | サンゴ / 病気 / ビブリオ / 宮崎県 / オオスリバチサンゴ |
Research Abstract |
宮崎県沖合の日向灘に棲息する温帯系サンゴの一種、オオスリバチサンゴTurbinaria peltataに原因不明の斑点状の白い病変が確認され、最終的には壊死により死亡している。温帯域の優占種のオオスリバチサンゴの病気の原因解明と保全を行うのが本研究の目的である。 本種に見られた現象をホワイトスポットシンドロームWhite Spot Syndrome (WSS)として記載したが、原因菌等の特定には至っていない。 平成22年度の現地調査の結果、複数のソフトコーラル類にも同様の症状が確認された。宮崎産のオオスリバチサンゴおよびソフトコーラルの病変部から菌を採取し、今回は特にビブリオ菌(V.communis)に絞り込んで培養し、サンゴへの感染実験を試みた(n=10ずつ)。なお、感染実験は沖縄産(金武湾)のオオスリバチサンゴを用いて沖縄高専で行った(閉鎖系水槽で実施し、使用した海水は消毒処理した)。しかし、菌を懸濁させた実験および綿棒に塗布しビブリオ菌を直接サンゴ軟組織に接触させる実験の何れも感染を引き起こすことはなかった。ビブリオ菌が原因ではない可能性もあるが、沖縄産のオオスリバチサンゴが耐性を持っていた可能性もある。宮崎でも罹患群体に近接した群体で全く影響を受けていない場合もあることから宮崎産のサンゴを用いることがベストだが現実的には難しい。 また、平成21年度に移植(宮崎県大島海域)したサンゴ片は、周りのソフトコーラル等に囲まれてかなり縮小しており、本種の本来の群体形のように、移植に際しては岩盤から立ち上げる等の工夫が今後の保全には必要だと考えられた。
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Research Products
(3 results)