2011 Fiscal Year Annual Research Report
口述史による在日済州島出身者の生活過程に関する研究
Project/Area Number |
21510253
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高村 竜平 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30425128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
高 正子 天理大学, 国際学部, 講師 (80441418)
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Keywords | 在日朝鮮人 / 口述史 / 済州島 / 4・3事件 / マイノリティ |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたるため、研究成果を還元するための発表および出版活動を中心的な内容とした。琉球大学の「人の移動と21世紀のグローバル社会」プロジェクトでのシンポジウム(2011年7月)に鄭雅英と高正子が参加し、また朝鮮史研究会大会(2011年10月)での在日済州島出身者についての共同発表パネルに高村竜平と鄭雅英が参加した。それぞれの発表において各自が本研究で蓄積した資料を活用し、高村は4・3事件に関する口述史調査の意義について、鄭雅英は口述史に見られる済州島での教育について、高正子は女性たちの生活戦略について発表した。 また、大阪産業大学紀要に口述史資料を二回発表したが、この過程で発表を拒否された事例があった。この点は、調査手法と発表方法に関する今後の反省材料である。さらに、これまでの成果の一部を韓国語に翻訳し、ソウルのソニン出版社より単行本『安住の地を探して-在日済州島人の生活史1』として出版した。 口述史調査および現地調査としては、予定していた北海道調査は成果が見込めないため見送ったが、2012年3月に滋賀県能登川町において、もと在日朝鮮人集住地域の実地踏査とインタビュー調査を行った。これは、過年度に行った東北調査に続き、東京・大阪のような大都市とは異なる性格を持つ地域における調査の試みである。またこの際には、滋賀県における民族教育の歴史と現状について、関係者への聞き取り調査と実地踏査も行った。
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Research Products
(12 results)