2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510265
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
金 聖哲 Hiroshima City University, 付置研究所, 教授 (10372872)
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Keywords | 朝鮮半島政策 / 国内政治 / 米国要因 / ツーレベル・ゲーム / 日朝関係 |
Research Abstract |
本来の研究目的に従って、平成21年度の研究の焦点は、初期段階として下記のように資料の収集及び分析、また、文献研究及び成果発表をすることであった。主な内容は、1950年代の日韓国交正常化の初期会談をめぐる米国の介入の可否、韓・朝の反応、1970年代の日中国交正常化時代における韓国と朝鮮の位置づけ、加えて、日本国内の政治主体間の力学、及びそれらに関する現代的意味合いを考察することなどに焦点をあてた。 国内外所蔵資料の収集の作業としては、米政府の公開資料の場合、優先的に国会図書館憲政資料室の資料、また、『Japan and the United States, 1960-1976』(マイクロフィッシュ)と『アメリカ対日政策文書集』で朝鮮半島関連資料を撰び出して複写・収集することであった。国外所蔵資料としては、カリッジパークの米公文書館での資料とソウルの韓国外交史料館が所蔵している韓米関係、日韓および日朝関係に関する資料を複写・収集して分析することであった。予想したように、それらの資料の中には、今まで発掘・分析する機会がなかったものがあり、例えば、在日朝鮮人の帰国事業をめぐってアメリカの介入があったことなど、新たに明白になった点もある。 主な分析フレームを絞るために、ロバート・パットナムなどの国内政治・対外政策間の関連性についての理論を援用することとした。本研究のフレームの特性は、既存の日本の対朝鮮半島政策に関する外圧論、類似同盟論、歴史敵対論などの仮説を反証する一方、「大戦略」の観点から日本の国際環境、米国の影響力、国内政治などを国家政策としてどのように集約したのかを解明することにある。 上記のように収集したと分析フレームに基づいて作成した論文を平成22年3月米国フィラデルフィアで開催されたアジア学会で発表した。
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Research Products
(3 results)