2009 Fiscal Year Annual Research Report
モーリシャスにおけるチャゴ難民の適応問題と国内外の援助活動の動向
Project/Area Number |
21510274
|
Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
小池 理恵 Fuji Tokoha University, 総合経営学部, 准教授 (80329573)
|
Keywords | チャゴス難民 / 強制移住 / モーリシャス / 米軍基地 / インド洋英国領土 / 援助・協力 / ディエゴガルシア島 |
Research Abstract |
モーリシャスが英国より独立する際、条件としてインド洋英領とすることが提示された。チャゴス諸島はその後米国に貸与され、重要な軍事拠点として機密基地が建設された。そのため、チャゴスの住民は強制的にモーリシャスやセイシェルに移住させられた。今回の研究は主にモーリシャスに強制移住させられたチャゴス難民の現状とそれに関連した諸問題を取り上げることを主たる目的とする。 平成21年度は、チャゴス難民のモーリシャスでの実態調査を行う上で、被験者の選定と依頼を行うための予備調査を行った。まずチャゴス難民グループのリーダーと実際に面談することができ、彼を含む難民たちの体験の概略を生の声で聞くことができ、更に、定期的に開かれるチャゴス難民の集いに参加し、彼らがいかにして独自の生活スタイル・文化を保持しようと努めているかを一見することができた。この予備調査で新たな視点として、第二世代以降のモーリシャス生まれのチャゴシアンのアイデンティティ問題が浮上したことから、サンプリングとして3名のモーリシャス生まれのチャゴシアンのインタヴューを依頼。彼らはモーリシャス人としての自覚があるが、第一世代の苦しみの歴史を決しておろそかにしているわけではない。第二世代以降の今後の問題を更に詳細に辿る必要性を感じた。 21年度の調査の概要をまとめ"Transcultural Mappings"(シドニー大学主催)で発表、広く知られていないが国際的な問題を学識者に知ってもらい関心を持ってもらうという点では有意義であったと考える。
|