2009 Fiscal Year Annual Research Report
アラビア語を用いた地域住民との研究資源共有化による社会的意志決定サポート法の構築
Project/Area Number |
21510278
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
縄田 浩志 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 准教授 (30397848)
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Keywords | 環境政策 / 文化人類学 / 地域開発 / 住民参加 / エジプト:スーダン:サウディ・アラビア:アルジェリア |
Research Abstract |
環境影響評価には、研究者・行政従事者による情報公開と地域住民による社会的参加が欠かせない。しかし、発展途上国におけるこれまでの情報開示の手法(たとえば、環境影響評価に際しての準備書の周知など)は、情報への「公正なアクセス」という観点からは不十分なものであった。そこで、地域共通語を用いて、より効果的な住民参加の仕組みづくりを構築する、という構想にいたった。 本研究では、世界第2位の話者数を持つアラビア語に焦点をあてて、研究者、行政従事者、開発実践者、事業者、地域住民といった関係主体間のコミュニケーション方法を再検討することにより、地域社会の実態に即した住民参加の仕組みづくりに関する基礎研究を推進することを目的とする。そのために、地域住民の社会的な意思決定をどのようにサポートできるかという観点から、「地域共通語であるアラビア語による研究資源共有の往復運動(双方向の情報交流)」のアプローチを開発していく。 初年度(平成21年度)はアラビア語を用いて中東における地域開発(とくに沿岸域開発)に対する環境影響評価手法のマスタープラン(たたき台)を作成した。スーダンで現地調査を行い、1)応募者自身のこれまでの研究成果のアラビア語による情報発信、2)アラビア語研究成果に対する地域住民からの反応の統計的解析、3)行政従事者、開発実践者からの専門的知識の供与とネットワークの強化を開始した。 また、中東のエジプトとバーレーンで招聘講演2件を行ったほか、学会発表12件(国外2件、国内10件)を行い、研究成果の発信に努めた。日本ナイル・エチオピア学会第18回学術大会公開シンポジウム「地域住民との研究資源の情報共有化」を主催して、本研究成果を発表した。
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