2010 Fiscal Year Annual Research Report
雇用形態間の処遇格差是正をめぐる労働運動研究―ジェンダー平等政策を手がかりに
Project/Area Number |
21510285
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
山田 和代 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (50324562)
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Keywords | 労働組合 / ジェンダー / 雇用平等政策 / 処遇格差 / 雇用形態 / 同一価値労働同一賃金 |
Research Abstract |
本研究は、日本における雇用形態の違いにみる処遇格差に対し、その解消に向け、労働組合がかかげる雇用平等政策を手がかりに労働運動の動向や課題を分析するものである。 本年度は、前年度までにおこなってきた国内の雇用状況の把握を踏まえ、かつイギリスにおける労働組合の関連諸政策を参照しつつ、以下の調査および分析を進めた。 具体的には主に次の3点である。1)前年度に引きつづき、日本の雇用状況と処遇格差について統計的に把握し(性、年齢、産業、職種別等)、労働組合への参加状況についても確認した(性、産業、雇用形態別等)。並行して、国内外のジェンダー分析、労働組合研究、女性および労働関係の雑誌、官庁資料等の文献資料を参照し、研究動向の把握に努めた。その中で官庁資料としては厚生労働省「職務分析・職務評価実施マニュアル」に着目した。2)労働組合の雇用平等政策に関して、ひとつは組合の資料を収集し、元・現役労働組合員やユニオン組合員との議論を通じて当該政策の内容や動向を把握した。その議論の中では、実際の運動課題や同一価値労働同一賃金原則に関する組合員の見解等を知ることができた。もうひとつは処遇格差や雇用平等政策の取組に関連する報告を研究会等で行ない、議論した。3)イギリスの労働組合に着目し、組合の一次資料の収集(賃金政策、組織化、LGBT関連等)と、労組および女性団体主催の大会等参加を含む調査をロンドンにて実施した。
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