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2009 Fiscal Year Annual Research Report

西洋近代観念説の自然主義的論理とその解体過程についての研究

Research Project

Project/Area Number 21520011
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

冨田 恭彦  Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (30155569)

Keywordsロック / 観念 / 物そのもの / 経験的対象 / 知覚表象説 / 起接実在論 / 志向性
Research Abstract

本年度前期は、ロックの「知覚表象説」的契機と「直接実在論」的契機との関係を再検討することによって、観念本来の自然主義的論理空間の重層構造を再確認することから研究を開始した。日常的に「物」と見なされているもの(経験的対象)の向こう側に新たな粒子仮説的な「物そのもの」を措定することによって、経験的対象は、心の内なる「観念」として、他のすでに「内的」とされてきたものとともに「心の中」に位置づけ直され、それによって、物そのもの/観念/心からなる三項関係的枠組みが構成される。この基本的な見方をより明確にするため、日常的にすでに「内的」とされているもの、例えば痛みの感覚や狭義の心像と、経験的対象が身分を代えて観念とみなされるようになったものとの関係を、明確に示すよう努めた。(これは、プラハのCharles大学James Hill教授の要請でもあった)。
本年度後期は、上の作業をさらに進めるとともに、研究代表者の見解を理解する上で一般の研究者にとってしばしば躓きの石となっているもの―すなわち、日常的な「物」を構成する要素的観念のうちからあるものを選んでそれらから新たな粒子仮説的「物そのもの」の「観念」を作るという研究代表者の言い回しが、物そのものと観念とを峻別するロックの基本的立場とどう整合するかという問題―について、その答えを明晰に示す方途を探った。ロックが「観念」を広狭二義に用い、「物そのもの」ですら「観念」とする場合があることをどのように捉えるかという、これまで指摘されながらも十分に検討されてこなかった問題が、ここではとりわけ重要な問題となり、「志向性」の概念をも念頭に置いて、この問題の解明に努めた。

  • Research Products

    (5 results)

All 2010 2009 Other

All Journal Article (1 results) Book (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 認識論史の終焉2009

    • Author(s)
      冨田恭彦
    • Journal Title

      飯田隆他編『岩波講座哲学14哲学史の哲学』

      Pages: 171-195

  • [Book] 科学哲学者柏木達彦の哲学革命講義2010

    • Author(s)
      冨田恭彦
    • Total Pages
      283
    • Publisher
      角川学芸出版
  • [Book] 科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏-科学がわかる哲学入門2009

    • Author(s)
      冨田恭彦
    • Total Pages
      285
    • Publisher
      角川学芸出版
  • [Book] 科学哲学者柏木達彦のプラトン講義2009

    • Author(s)
      冨田恭彦
    • Total Pages
      283
    • Publisher
      角川学芸出版
  • [Remarks]

    • URL

      http://sites.google.com/site/diogenesphil/

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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