2012 Fiscal Year Annual Research Report
西洋近代観念説の自然主義的論理とその解体過程についての研究
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21520011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨田 恭彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30155569)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 観念 / 表象 / カント / クワイン / フッサール / 独断的観念論 / 懐疑論的観念論 / 自然主義 |
Research Abstract |
本研究は、デカルトとともに近代観念説の原型を提示したとされるロックについて、観念説が本来持っていた自然主義的論理を再確認し、次いでバークリとヒュームおよびカントを取り上げ、その論理の解体過程の解明をさらに進めるとともに、基礎づけ主義的哲学観の妥当性を再考しようとするものである。 平成24年度は、本研究の最終年度であり、カントの観念説(表象説)の読み直しを進めた。その基本は、すでに ‘Locke’s “Things Themselves” and Kant’s “Things in Themselves”’ (2008) に示したが、ここではさらに、独断的観念論や懐疑論的観念論に対するカントの批判の真意を考察するとともに、「心の中」の意味を再度明らかにするよう試みた。これによって、ロックの遺産の継承とその論理の変質過程の実際が、より明確になった。また、そうした作業と並行して、本研究の結果が基礎づけ主義、自然主義、表象主義をめぐる今日の論争にどのような光を投じるかについても考察を進めた。特に、前年度に続けて、自然主義を肯定するクワインの見解を再度取り上げ、「二つのドグマ」や「二つのドグマを回顧して」の読み直しとともに、『指示のルーツ』等に見られる彼の自然主義を再考し、また、自然主義を受け入れないフッサールの読み直しも併せて進めた。これらの作業によって、この研究が今後どのように継続されるかについての知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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