2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 康雄 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60237477)
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Keywords | 唯名論 / メレオロジー / 形而上学 / 科学技術論 / 科学哲学 / 行為主体 / 応用哲学 / ロボット工学 |
Research Abstract |
平成23年度は、昨年度までの成果に基づき、唯名論と多元的言語論の関係を明らかにする研究を中心に行った。また、社会存在論に関する研究にもテーマを拡張して取り組み、単著『規範とゲーム-社会の哲学入門』を出版した。この著書の中では、ジョン・サールの社会存在論の批判的検討を行うとともに、社会組織概念の四次元メレオロジー的分析も行い、概念規定を明確にした。この意味で、分析的形而上学の社会的側面への拡張を行った。さらに、『科学哲学』や『科学基礎論研究』という日本を代表する哲学学術誌にロボット工学と哲学に関する単著論文1編と数学の哲学に関する単著論文1編を掲載することができた。『科学哲学』に掲載された論文は、認知科学的枠組みと論理学的枠組みを組み合わせる形で自己についての問題を解明することを目指したものである。そして、『科学基礎論研究』に掲載された論文は、数学研究を多元的言語論の視点から整理しようとしたものである。平成23年度全体としては、単著1冊、分担執筆2冊、単著の雑誌論文6編を本研究の成果として公表することができた。 これらの研究論文等の公表に加え、単独での学会発表10件を実行した。特に、ヨーロッパ、韓国、台湾というように世界を舞台にして研究発表を行い、本研究の成果を世界に向けて発信することができた。韓国と台湾での研究発表は、招待されての発表であり、研究発表のみならず、今後の東アジアでの現代哲学研究を組織化するための意見交換をも含んだものであった。そのほか、国際ワークショップLENLS8 (Logic and Engineering of Natural Language Semantics)の大会実行委員として、査読や運営に関わり、日本における哲学・言語学・論理学研究の世界へ向けての拠点形成のために活動した。
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