2011 Fiscal Year Annual Research Report
生物学の哲学における遺伝子還元主義的思考の対案としての階層論的思考の可能性の研究
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21520028
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 俊吉 東海大学, 総合教育センター, 教授 (00276784)
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Keywords | 生物学の哲学 / 進化論 / 自然撰択 / 適応主義 / 進化心理学 / モジュール集合体仮説 / 自然選択の単位 / 遺伝子選択主義 |
Research Abstract |
・6月4日に愛媛大学で開催された科学基礎論学会でのシンポジウム「情報の科学としての生物学」においてコメンテータを務め、主としてパネリストの一人である理化学研究所の藤井直敬氏の「社会脳」に関するご研究に対して、生物学の哲学の観点から、特に「モジュール集合体仮説」との関連で、コメントさせていただいた。 ・7月2日に、ソウルの漢陽大学にて韓国科学哲学会の主催で開催された東アジア科学哲学ワークショップ(East Asian Phlosophy of Science Wbrkshop)に招待講演者として招かれ、"The Structure of Adaptationist Reasoning"と題する講演を行なった。 ・博士論文、"Conceptual Problems in Evolutionary 上Biology:Adaptation, Human Culture, and Units of Selection"(「進化生物学における概念的問題一適応・人間文化・選択の単位」)を7月30日に正式に慶応大学文学部研究科に提出した。博士号の受理はほぼ決定という内諾をいただいているが、諸般の手続きのため、実際の取得は2012年度上半期になるとのこと。 ・春秋社から出版予定の『進化という謎-生物学の哲学の根本問題』の執筆を継続中。全三章立てのうち、第二章「適応主義」をほぼ完成した。 ・アメリカ科学哲学会(PSA)の隔年の大会が2012年11月にサンディエゴで開催されるが、そこで報告するための論文"Evolutionary Functional Analysis Revisited"を、2012年3月1日にオンラインでPSA事務局に提出した。採択の可否は5月に、Proceedingへの掲載の可否は6月に連絡が来ることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の最大の課題であった、春秋社から出版予定の単著の執筆がまだ3分の1程度にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
・春秋社から出版予定の著書を今年度中に出版する。 ・海外の学会での報告、国際誌への投稿を積極的に推進する(具体的には、11月のPhilosophy of Science Association of Americaサンディエゴ大会における報告、British Journal for the Philosophy of Science誌への投稿を準備中)。 ・本助成研究が今年度で終了するので、今度は共同研究のチームを組んで、来年度以降の科研費助成に申請する。 ・9月に組織適合性学会という医療技術者の学会におけるシンポジウム「異分野研究が拓くMHC研究の新しい展開」に講演者として招かれている。異分野との対話の推進のためにも、是非ともこれを成功させたい。
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