2009 Fiscal Year Annual Research Report
北方宗教哲学の共生原理と「神」概念-北方少数先住民族とキリスト教-
Project/Area Number |
21520030
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中里 巧 Toyo University, 文学部, 教授 (40277348)
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Keywords | 北方 / 先住民 / サガ / キリスト教 / 血の復讐 / ノルウェー / スターヴ教会 / クラーゲス |
Research Abstract |
平成21年度は、1.ノルウェー初期木造教会調査撮影済みアナログフィルムのデジタル処理化、2.北方少数先住民族関連文献収集(とりわけイヌイット・サーミ・シベリア先住民の民話資料)、3.『グレティルのサガ』を中心とする血の復讐をめぐる文献研究と精読、4.オホーツク文化人や北方少数先住民の北海道における調査、5.3月の公開講座といった、作業や活動をおこなった。 こうしな作業の成果の一貫としてあらわした著書や論文として、本研究に関連する生命観・宗教観・死生観をあつかった『新版増補生命倫理事典』やキリスト教と比較研究する意味で『デンマークを知るための六八章』・「キェルケゴール思想研究にともなうアポリアについて」・「キリシタン信仰と死生観」を公刊した。学会では、「古代北欧社会における血の復讐-主としてサガを通して-」を口頭発表して、『グレティルのサガ』研究の一端を公開した。 意義や重要性として1.については、本作業を通して、ノルウェー以外ではあまり知られていない初期木造教会の詳細を多角的に分析できることになること、2.については、北方少数先住民の世界観や生活感をより総合的に理解できるようになること、3.については、応報主義の限界や合理主義の限界と自然観の関係が明らかになること、4.については、北海道立北方民族博物館における調査などから極めて内容豊かな個々の民族に対する研究方法や態度が明らかになること、5.については、本研究の一般市民への知識の還元がなされること、などが挙げられる。 さらに本研究遂行過程において、三木成夫の進化論的解剖学・ルードヴィッヒ=クラーゲスの哲学的人間学(精神と心情の関係性理解)・野口三千三の体操法から、北方少数生住民の生活実感を理解するうえで、有益な見方を学ぶことができた。
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Research Products
(5 results)