2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520032
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大黒 岳彦 Meiji University, 情報コミュニケーション学部, 教授 (30369441)
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Keywords | メディア / 身体 / 行動 / 情動 |
Research Abstract |
平成21年度は、以下の項目についての資料サーヴェイを行った。すなわち (1)デカルト的な「心身問題」の枠内での身体論の概観 (2)「行動」の基体として身体を捉える諸理説の研究 (3)「情動」の担体として身体を捉える処理説の研究 (1)についてはデカルト、スピノザの身体観とともに現代の脳科学の発展を背景とした認知科学における身体理解の理論的な枠組みについての文献を通覧した。 (2)についてはJ.vonユクスキュール、V.vonヴァイツゼッカー、M.ハイデッガー、J.J.ギブソン、K.ゴルトシュタイン、P.シルダー、M.メルロ=ポンティらの身体論をその思想的な連続性に留意しながら、それらに共通する了解的枠組みを抽出することを目指しながら文献をサーヴェイした。 (3)については、ジェームズとランゲ、キャノンとバードの心理学説上の対立を背景に登場したG.H.ミードやH.ワロンの情動理論、さらにM.シェーラーやL.クラーゲス、H.シュミッツらの哲学的情動論を、思想史的な流れの中に配置し、共通の身体理解の枠組みを抽出することを念頭に置きながら資料の解読を進めた。
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