2009 Fiscal Year Annual Research Report
アンリ研究の基盤作りを目指した<アンリ哲学の現代思想における意義づけ>の研究
Project/Area Number |
21520041
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
川瀬 雅也 Sasebo National College of Technology, 一般科目, 准教授 (30390537)
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Keywords | ミシェル・アンリ / マルクス / 現代思想 / 日本ミシェル・アンリ哲学会 |
Research Abstract |
本研究の研究計画の中には、日本におけるミシェル・アンリ研究の堅固な基盤作りを目指すことが盛り込まれているが、本年は、とりわけ、この基盤作りを積極的に行った。 当初の研究計画としては、将来的な組織化の礎石作りを行うことを掲げていたが、実際に、アンリ研究者の横のつながりを作るために呼びかけを行うと、多くの研究者から賛同が集まり、最終的には学会として立ち上げることが決まり、平成21年8月に「日本ミシェル・アンリ哲学会」を発足させた。本研究の研究代表者が事務局担当をつとめ、学会の会則や活動内容などを決めると同時に、会員の募集を行い、現在会員は44名に達している。本学会は、主に、日本国内におけるアンリ研究者の連携とアンリ研究に関する国際交流をその目的としており、その国際交流の面では、「国際ミシェル・アンリ学会」(La Societe Internationale Michel Henry)のFrancois Lavigne氏や、ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)のJean Leclercq氏、さらには、カレル大学(チェコ)のKarel Novotny氏との交流を行った。また、平成22年3月には、「日本ミシェル・アンリ哲学会」の第一回研究大会を同志社大学で行い、四人の研究発表と愛知県立芸術大学の中敬夫氏の記念講演会を実施した。 アンリ哲学の現代思想における意義づけの研究に関しては、学会設立の仕事に追われて、当初の計画通りには進まなかったが、マルクスの思想についての研究を進め、平成22年度に、引き続きアンリのマルクス解釈の射程やその独自性を浮き彫りにするための下準備を行うことができた。平成22年度には、チェコのプラハで開催されるアンリ哲学に関するコロック(Karel Novotny氏主催)に参加して発表することが決まっており、そこでは、アンリのマルクス解釈をもとにして、アンリの身体論について論じる予定にしている。
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Research Products
(4 results)