2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520059
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
桂 紹隆 龍谷大学, 文学部, 教授 (50097903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 基 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (00272120)
志賀 浄邦 京都産業大学, 文化学部, 講師 (60440872)
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Keywords | ジネーンドラブッディ / ディグナーガ / 集量論複注 / 梵語仏典写本 / 仏教論理学 / 証因 |
Research Abstract |
本年度も、龍谷大学文学部において定期的に研究会を開催し、ジネーンドラブッディの『集量論複注』第3章の後半、他学派の証因論批判部分のうち、「ヴァイシェーシカ学派の証因論批判」の全体と「サーンキヤ学派の証因論批判」のほぼ3分の2の梵語テキストの批判的校訂テキストの作成作業を終えた。 同章の最後を占める他学派の疑似証因論批判部分を構成する「世親のヴァーダヴィディ批判」、「ニヤーヤ学派批判」、「ヴァイシェーシカ学派批判」については、写本とディプロマ版およびチベット語訳との照合の結果にもとづいて、研究協力者である岡崎康浩氏によって、予備的校訂テキストが作成され、同じく研究協力者である渡辺俊和氏によって、その細部が点検中である。 本年度の研究会には、来口したオーストリア科学アカデミーのホルスト・ラシッチュ博士とアン・マクドナルド博士、中国蔵学研究中心の李学竹博士と羅鴻博士が参加され、両研究機関との学術交流を深化することができた。オーストリア科学アカデミーの「集量論複注校訂プロジェクト」の総責任者であるヘルムート・クラッサー博士も来日され、今後の校訂作業の完了と出版準備に向けて、意見を交換することができた。また、昨年10月には当該梵語写本の提供者である北京の蔵学研究中心を訪問し、交流を深めた。 2008年10月に北京で開催された国際チベット学会の発表(後に、プロシーディングスに収録)に引き続き、昨年9月に立正大学で開催された日本印度学仏教学会の学術大会において『集量論複注』の梵語写本研究の現状を報告すると同時に、第3章の他学派批判の部分の内容を紹介した。『集量論頌』の再構築テキストを含む学術論文が学会誌に掲戟された。
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Research Products
(4 results)