2009 Fiscal Year Annual Research Report
宗教的資源の観光的活用と世界遺産指定との関係に関する宗教学的研究
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21520065
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山中 弘 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40201842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勝彦 長崎国際大学, 大学院・人間社会学部, 教授 (10195357)
松井 圭介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60302353)
浅川 泰宏 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (90513200)
森 悟朗 國學院大學, 研究開発推進機構, 助教 (10445463)
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Keywords | 世界遺産 / ツーリズム / 熊野三山 / 熊野曼荼羅 / 熊野古道 / 聖地 / キリシタン / カトリック教会群 |
Research Abstract |
本年度は、実施計画に沿って、2つの方向性から研究を行った。1つは、本研究の課題、とりわけ世界遺産と観光をめぐる研究動向の理論的把握にむけて、研究会を組織して具体的な事例の報告と関連文献のサーベイを行った。具体的には、研究会3回もち、すでに世界遺産指定となっているロシアのソロフキ修道院、吉野・熊野地域、さらに指定を目指す動きのある四国遍路に関する研究発表を行い、情報交換とそこに看取される理論的な問題について認識を深めた。また、研究分担者の一人は、熊野の基礎的資料を把握するため、新宮市立図書館、田辺市立図書館、和歌山県立紀南図書館、和歌山県立図書館を訪れ、近現代における当該地域の社寺参詣と観光を対象とした文献調査を行なった。もう1つは現地調査の実施である。具体的には、熊野・吉野地域と、指定に向けて準備が急速に進んでいる長崎のカトリック教会群への調査である。前者は、熊野古道の主要部分、熊野那智大社、熊野速玉大社、熊野本宮大社へのフィールドワークを実施した。また、和歌山県世界遺産センターでの指定以降の各社寺の変化や和歌山県としての取り組み、その課題について聞き取り調査を行った。また、指定以降、人気を呼んでいる吉野川下りに乗船している観光ボランティアへの聞き取り調査を行った。さらに、熊野参詣曼荼羅を模して、新しい曼荼羅を作り、現代の熊野比丘を演じているガイドへの聞き取り調査も実施した。もう一つの調査対象である長崎県のカトリック教会群に関しては、長崎市内・島原半島・東彼杵地区(大村市や波佐見町)・西彼杵地区(西海市)のキリシタン関連史跡の観光活用に関する調査と、これに付随して観光活用に伴う様々な問題の倫理的検討について、住民や行政担当者等からの聞き取り調査を実施した。
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