2011 Fiscal Year Annual Research Report
モニュメントの宗教学:一地方都市における「記憶と歴史」をめぐる基礎的調査研究
Project/Area Number |
21520067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
關 一敏 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50179321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯嶋 秀治 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (60452728)
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Keywords | 宗教学全般 / 日常性 / モニュメント / 記憶 / 都市空間 |
Research Abstract |
本プロジェクトは「記憶」と「モニュメント」を両軸とし、地方都市・福岡を対象とする。最終年度は、(1)専門家ゲストとの2度の研究連絡のほか、(2)研究協力者を含む数次のフィールド調査をおこなった。とぐに(2)においては、前年度の博多部および福岡部の基礎的データの確認と整理をおこなった。記憶媒体としてのモニュメントの地図化と、その出来事や人物をめぐる記憶のカード化をすすめた。また研究成果を2度の研究会と国際学会で発表した。 次年度につづいて、(1)の理論的展望と(2)の資料化の二点で深化を図り、両者の接合をこころみた。収集データは総数775.件(博多区479、中央区206、東区90)である。(2)の成否が(1)との摺り合わせを左右する面が強く、モニュメント要素のうち、a)空間と場所(都市空間のアメーバ状の分節)、b)時間と歴史(三層に生きられる歴史感覚)、c)担い手たち(創出・管理・参与の濃淡)のいずれについても、さらに件数をしぼった500件弱についてデータ整理を図った。しぼり方は明治22年の福岡市制施行当時の博多部と福岡部という地域的限定である。このためその後の市の波状的な拡大にともなうモニュメントの生成と移動の主題は縮小を余儀なくされたが、以下については網羅的にデータ化しえた。1)都会性の表出としての出自不明のモニュメント群(寺社・小祠周辺に蝟集する群小モニュメント、私的来歴と思われる単立モニュメント等)。2)文字媒体による記憶の一局面の固定化としての来歴の文字化されたモニュメント群(教育委員会や町おこし集団による解説と記憶表象)。これによって、3)類型化の再構築が可能になった。すなわち予想した三類型(史的、記念と顕彰、哀悼と厄災)に加えて、都市の「装飾」と「場所性の構築Jの二機能を考慮せねばならない。
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