2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
要 真理子 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 招へい准教授 (40420426)
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Keywords | モダニズム / イギリス美術 / ヴォーティシズム / ブルームズベリー・グループ / モダンアート / ウィンダム・ルイス / ロジャー・フライ / 線と造形 |
Research Abstract |
本研究は、1.英國モタニズム美術において重要な潮流のひとつであるウォーティシズムとその主導者ウィンダム・ルイスを扱い、(彼が美術界で果たした役割をとくに造形的局面かち考察すること、2.ルイス周辺の造形運動(ブルームズベリー・グループ)を射程とし、これらの影響関係について同時代め批評や資料に基づいて検討することを目的としている。 平成23年度は、上記二種類の考察のうち、1.ヴォーティシズムとルイスに関しては、6月17、18日に、テイトギャラリー(ロンドン)で開かれたシンポジウム"Repositioning Vorticism"に参加し、共同研究者Paul Edwards氏をはじめとする複数の研究者と意見交換を行った。そこで、最新の研究動向、とりわけ、大英博物館においてイギリスモダニズムとアジアに関する研究プロジェクトが進行中であるという情報を得た。2.ブルームズベリー・グループの活動に関しては、6月19日にブライトン美術館の展覧会"Radical Bloomsbury"を見学・調査した。また、11月26日に、前年度に行ったLaura Ashley社所蔵の資料についてアート・ドキュメンテーション学会で報告した。本発表は、20世紀初頭に展開したオメガ工房のデザイン事業が、現代においても注目され、再商品化されたという事実は、拙稿「ステイタス・シンボルとしてのデザイン」(2012年3月)で論じた顕示欲の問題を裏付けるものとなった。さらに、2月24、25日にはケンブリッジ大学でEdwards氏と再会し、プロジェクトの進捗状況の報告と整理、今後の展開について相談した。成果報告は、Web上で公開されるものの他に、外部資金の獲得を目指しつつ、書籍の出版(日英)という形式もとりたいと考えている。その一方で、新たな研究者David Peters Corbett氏(イーストアングリア大学)やAnthony Pryer氏(ロンドン大学)との知遇を得たことにより、モダニズムおよびフォーマリズム研究のさらなる協働を模索中である。
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