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2011 Fiscal Year Annual Research Report

南インド、ケーララ地方に現存するヒンドゥー教壁画の技法的・様式的研究

Research Project

Project/Area Number 21520106
Research InstitutionKyoto City University of Arts

Principal Investigator

定金 計次  京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (40135497)

Keywords美術史 / 南インド / ヒンドゥー教 / 壁画
Research Abstract

平成23年度においては、現地調査としてケーララ地方に残る壁画のうち最重要作例の一つであるマッタンチェーリ宮壁画の調査研究を深めると同時に、ケーララ地方北部のヒンドゥー教寺院壁画に関する資料収集に努めた。それに加えて、現地調査の一環として北に隣接するカルナータカ州の絵画・彫刻に関する調査及び資料収集を行った。これまでの当研究の進展によって、ケーララ地方の美術は、作例が現れ始める初期段階において東のタミル・ナードゥ州の影響が顕著ながら、研究対象としている壁画を含む、ケーララ地方で中世以降展開した美術が、それだけでなくカルナータカ州の美術の影響も強く受けたことが確実に想定されるようになったからである。
平成23年度の現地における調査研究及び資料収集に基づき、分析を重ねることによって、中世後半以降では、カルナータカ州の美術の影響がタミル・ナードゥ州のそれよりも重要であることが明らかとなった。具体的な事象としては、カルナータカ地方には、当研究と係わる時期の壁画作例が殆ど残らないものの、写本画の作例が確認され、そこに描かれたモチーフがケーララ地方の壁画に同様の様式で受容されている点が指摘出来る。更にインド南部西海岸におけるヨーロッパとの繋がりについて、カルナータカ州南部とケーララ州北・中部が共通してヨーロッパ文化の影響を受けたことからも、ケーララ地方とカルナータカ地方との関係が中世後半以降深かったと見られ、実際に両地域におけるヨーロッパ絵画の影響に関しても同様の現象が看取し得る。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当研究の初期段階においては、ケーララ地方に壁画が残り始めた頃、東に隣接するタミル・ナードゥ州の中世壁画との関連が強く見られたものの、研究が進展した段階で、中世後半以降、北に隣接するカルナータカ州の絵画との関係が重要であることが明らかとなり、研究の比較対象が当初の計画より大きく拡大し、研究対象内部での問題ばかりでなく、中世から近世に掛けてのインド絵画全体における研究対象の位置付けが明確になって来たからである。

Strategy for Future Research Activity

当研究が対象とする壁画とカルナータカ地方の絵画との関係が強いことが明確になって来たことにより、研究対象である壁画相互の関係を詳細に明らかにすると同時に、現在まで充分解明されていない、カルナータカ地方の絵画が中世後半以降どのように他地域の絵画と関係を持ちつつ展開して行ったかという問題についても解明する必要が出て来た。そのためケーララ地方のみならず、更に地域を広げた現地調査についても実施する。

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Published: 2013-06-26  

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