2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520112
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
平山 敬二 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50189867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 真人 東京工芸大学, 芸術学部, 准教授 (30339808)
加藤 泰史 南山大学, 外国学部, 教授 (90183780)
宮島 光志 福井大学, 医学部, 准教授 (90229857)
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Keywords | 自然美学 / マルチン・ゼール / 美学 / ドイツ / 自然美 / 環境美学 / 芸術学 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度は3年間に亘る本課題研究の最終年度であった。当初の研究目的は、伝統的自然美論研究と現代的自然美論研究との統合及び美学的自然美論研究と倫理学的自然美論研究の統合を基に現代的問題に応え得る新たな自然美論を提示するということであり、これまでその研究目的に向けて計画通りに着実に研究を進めてきたが、その過程で現代ドイツのマルチン・ゼールの著書『自然美学』の研究がわれわれの研究目的を実現するために極めて重要であることが自覚されるに至った。昨年度はその共通認識の下に研究代表者の平山敬二と研究分担者の加藤泰史・小川真人の3名でフランクフルト大学のゼール教授を直接訪問し、ゼール著『自然美学』を巡るコロキウムを実現した。このコロキウムを契機にこの著書についてのさらなる集中的研究が今年度前半の共同課題として浮上したが、まだ日本語に翻訳されていないこの著書は自然美の哲学的考察についての深い内容を有するものであると同時に極めて難解なものでもあり、ドイツ語原典による各自の研究は予想以上の時間を必要とした。今年度の8月と2月の合向研究会はともにこのゼールの『自然美学』の研究に充てられることになった。また昨年度に引き続き専門研究上の必要から連携研究者として阿部美由起(ベーメ自然美論研究)及び研究協力者として高畑祐人(ゼール自然美論研究)・田中綾乃(哲学的倫理学的研究)・長澤麻子(ベンヤミン研究)の参加協力を得た。本年度の合同研究会での研究発表は以下のようであった。第4回環境美学研究会(於南山大学)2011年8月27日(土)-8月28日(日)研究発表1「『自然知覚の時間』-M.ゼール自然美学研究(4)」(発表者:小川真人)、研究発表2「『芸術の偉大さ』-M.ゼール自然美学研究(5)」(発表者:平山敬二)、研究発表3「『自然美の倫理』-M.ゼール自然美学研究(6)」、第5回環境美学研究会(於南山大学)2012年2月26日(日)研究発表1「『観照の空間としての自然』再考-M.ゼール自然美学研究(9)」(発表者:宮島光志)、研究発表2「『自然に関する考察の限界』-M.ゼール自然美学研究(10)」及び最終合同会議。
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