Research Abstract |
平成21年度は,韓国・日本における明治初期・李朝末期の活字印刷物の調査と収集期間を設定し,特に韓国内における活版印刷による辞書を含む書籍の収蔵調査及び印刷関連資料の発掘,検証を試みた。 その結果,1)期間の設定:日本・韓国における明治期(1880年代,1890年代,1910年代),大正期(1920年代),昭和期(1930年代,1940年代)の刊行期間。2)文献の選定:日本・韓国における新式鉛活字により活版印刷で刊行された(1)辞典及び文典類(現11点),(2)会話類(現42点),(3)書輪文類の印刷関連資料(現21点)。3)文献資料の形態:この時期に刊行された「多言語文献資料」の書目の整理や諸本の活字書体の検討による調査資料の形態の分類・分析し整理中である。 特に,韓国活字書体分析のより現在書体開発の効率性を高めるために「書体用の体表文字」を選定し基準を設ける。そのために韓国語の基本構造である6パターンの形態で区分し,韓国語使用頻度調査によりその代表的な文字を抽出した。さらに,韓国語活字の分析の基準として『明治字典』(1886)を選定し,まず,韓国語活字が多くに使用されている2券の1冊を選別し,韓国語使用頻度の予備調査を行った。その結果,韓国語使用頻度が高い上位順番から代表的な文字の抽出を試みた。 韓国語の基本構造である6パターンに合わせて,韓国語使用頻度調査により使用度が高い上位順位から151個の代表的な文字を抽出した。その結果は以下の通りである。 1形(36文字),2形(36文字),3形(26文字),4形(11文字),5形(35文字),6形(7文字)である。さらに,この期間中に得られた関連資料を査読論文(国際デザイン史・デザイン学会)と学会発表(日本デザイン学会)および招聘講演(国際タイポグラフィ協会)で研究成果の公表を行った。
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