2011 Fiscal Year Annual Research Report
ル・コルビュジエの旅日記のスケッチを巡る影響作用史的相互参照構造の研究
Project/Area Number |
21520132
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松政 貞治 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (30252612)
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Keywords | 芸術諸学 / 美術史 / 建築史・意匠 / ル・コルビュジェ / スケッチ |
Research Abstract |
平成23年度は、ル・コルビュジエが1911年の「東方への旅」で描いたスケッチや撮影写真と彼の建築作品や著作との参照関係、あるいはそれらのスケッチや写真と彼の建築作品・著作を含めた近・現代建築全体における相互参照構造が認められるかどうかに特に注目しながら、彼の「東方への旅」の旅程のうち、トルコ北部、イタリア南部を中心に調査研究を行い、静止画・動画に記録して、分析のための資料とした。彼が「東方への旅」の旅日記にスケッチを描きその特徴などを記述し、あるいは写真を撮影した建築や街並みを現地において同定するとともに、なぜ彼がそのようなスケッチや写真として記録にとどめたのかを、その周辺の街並みや景観、建築などと比較しながら、平成23年度に調査し考察した都市・建築は、トルコのエディルネ、テキルダー、チャナッケレ、ブルサ、イスタンブールの伝統的住居や回教寺院等(平成23年11月)、イタリアのナポリ、ポンペイ、ローマの古代ローマ遺跡や教会等(平成24年2月)である。これらを含めたこれまでの調査結果や、前年度までにパリのル・コルビュジエ財団やル・コルビュジエの故郷であるスイスのラ・ショー=ド=フォンの市立図書館等で収集した史料を合わせて、現在、分析し研究を進めているところである。尚、当初は、平成23年度に予定していたギリシャ等の調査は、現地、とりわけアテネの政情不安のため平成24年度に延期することとしたことから、「東方への旅」の旅日記において最も重要であるアテネの旅程に関する研究と、それを含めた全体の研究はその調査の後に行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21年度と平成22年度は各1回、平成23年度は2回の、ル・コルビュジエの「東方への旅」の旅程を辿る調査研究と史料収集を順調に行ったが、平成23年度に行う予定であったギリシャでの調査研究を、現地アテネの政情不安を考慮して、延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年11月頃までに、ル・コルビュジエの「東方への旅」の旅程の中で最も重要なギリシャ、特にアテネでの調査研究と史料収集を行い、全体の研究をまとめる。
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