2009 Fiscal Year Annual Research Report
映画を媒介にした消費と教育の史的関係――戦前期から占領期へ
Project/Area Number |
21520134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤木 秀朗 Nagoya University, 文学研究科, 准教授 (90311711)
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Keywords | 映画 / 近代日本 / 社会教育 / メディア政策 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、(1)行政、(2)産業、(3)ジャーナリズム(3)興行と消費の場の観点から映画観客を考察することを大きなねらいとしている。今年度は、このうち(1)についての成果をアジア研究学会(Association for Asian Studies)にて、「観客を国民/皇民へと啓蒙する-近代日本における社会教育としての映画」という題目で口頭発表を行った。この発表は、「検閲の交渉」というパネル・ディスカッションのもとに行ったもので、コメンテーターからは、映画以外のメディアとの関係などについて有益なコメントをいただいた。また、会場からは検閲との関係を問う質問があり有意義な議論につながった。これも基に修正した論文を、現在依頼を受けている森話社から出版予定の論集『日本映画史叢書14巻観客へのアプローチ』と、オックスフォード大学出版会から出版予定の論集Oxford Handbook of Japanese Cinemaへ掲載する予定である。また、前者の『日本映画史叢書14巻』は自分が編集を担当しており、本研究プロジェクトに関する他の研究者による様々な角度からの論文をまとめることになる。この他、本プロジェクトには直接反映されるものではないが、重要な論文をReview of Japanese Culture and Societyや『JunCture超域的日本文化研究』に載せ、また映画メディア学会(Society for Cinema and Media Sutides)で口頭発表を行った。さらには、坪井秀人との共編著で『イメージとしての戦後』という論集を青弓社から刊行した。
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Research Products
(5 results)