2010 Fiscal Year Annual Research Report
映画を媒介にした消費と教育の史的関係――戦前期から占領期へ
Project/Area Number |
21520134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤木 秀朗 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (90311711)
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Keywords | 映画 / 近代日本 / 社会教育 / メディア政策 / 観客 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、(1)行政、(2)産業、(3)ジャーナリズム(3)興行と消費の場の観点から映画観客を考察することを大きなねらいとしている。当年度は、その成果を、2011年3月に刊行された編著『日本映画史叢書第14巻観客へのアプローチ』(森話社)にて発表した。この中で、執筆を担当した序章にて、行政、産業、メディア、興行、消費など、観客に関わる様々な問題群を概観し、第7章の「「社会」の構築と民衆/観客-戦間期の社会教育・民衆娯楽としての映画」では、行政やメディアが観客をそのような社会の主体として導こうとしていたのかを考察している。また、イギリスの日本研究の学術雑誌Japan Forumに投稿していた論文「Movie advertisements and the formation of a new visual environment in interwar Japanも査読の結果採用が決まり、近々出版される予定である。その他、すべてが本研究プロジェクトに一致するものではないが、2010年10月に招聘されたカナダのマギル大学での口頭発表(「Film Stars Embodying Imperialism and Globalization : Ri Koran and Zhang Ziyi」)や、ハーバード大学アジアセンターから刊行予定のMaking Personas : Transnational Film Stardom in Modern Japanでもその成果を反映させている。
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Research Products
(4 results)