2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける語り物音楽の伝承並びに声の技法に関する比較分析研究
Project/Area Number |
21520137
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
垣内 幸夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50117420)
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Keywords | 芸術諸学 / 東アジア / 語り物音楽 / 声の技法 / パンソリ / 評弾 / 義太夫節 |
Research Abstract |
平成22年9月12日に来日中のパンソリ名唱・南海星氏に対してインタビューを行い、芸の伝承に関する芸談並びに声の技法についてのお話を映像に記録した。通訳は南海星氏の弟子の在日韓国人・安聖民氏に依頼した。平成22年9月18~20日に韓国全羅北道立國樂院において、パンソリの伝承者である金美貞教授に対してインタビューを行い、芸の伝承に関する芸談並びに声の技法についてのお話を映像に記録した。平成23年2月9~17日の間、中国上海市において評弾に関する歴史的音源資料・映像資料並びに文献資料を収集した。また滞在中に上海評弾団を訪れ、評弾の伝承の実態を調査した。幸いにも同団の団長であり蒋月泉の蒋調の正統伝承者である評弾演奏家の秦健国氏にインタビューする機会を得、個人の演奏様式の集大成としての調についてのお話を映像に記録した。その際、評弾の歴史的音源集「弾詞流派唱腔大典」の解説書を示し、個々の調の特徴と実態について説明を受けた。このインタビューは評弾の伝承と声の技法を探るための貴重な資料となり、本年度の成果となった。 平成23年3月5日に京都教育大学で開催された東洋音楽学会西日本支部第251回定例研究会の特別企画「パンソリの魅力を探る」において「私のパンソリ研究」と題する講演を行い、科研費によるパンソリ研究で得られたこれまでの成果を公表した。またパンソリ唱者・安聖民氏の実演の後、聞き手としてパンソリの「制」「パディ」、声の種類と声の技法、長短と調の関係についてお話を伺った。 平成23年3月5日に文楽大夫・豊竹呂勢大夫氏の研究協力を得て、評弾とパンソリの音源および映像を長時間にわたって共に確認しながら、義太夫節の声の技法との違いについて専門的立場からの意見を聞かせて頂き映像に記録した。平成23年3月9~14日の間、韓国ソウル市において、パンソリの実演を聴くとともに、パンソリに関する歴史的音源資料・映像資料並びに文献資料を収集した。
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