2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける語り物音楽の伝承並びに声の技法に関する比較分析研究
Project/Area Number |
21520137
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
垣内 幸夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50117420)
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Keywords | 芸術諸学 / 東アジア / 語り物音楽 / 声の技法 / パンソリ / 評弾 / 義太夫節 |
Research Abstract |
本研究は、東アジアにおける語り物音楽の声の技法を中心に分析し、その音楽的諸特徴を比較するとともに、伝承の実態について明らかにすることを目的とする。そのため平成23年度は以下の研究を行った。 平成22年度に引き続き、平成23年5月4日に上海評弾団団長の秦健国氏にインタビューを行い、芸の伝承に関する芸談並びに声の技法についてのお話を映像に記録した。平成23年9月28~30日に韓国全羅北道立國樂院において、パンソリ伝承者の金美貞教授に対して平成22年度に引き続き、芸の伝承に関する芸談並びに声の技法についてのインタビューを行い映像に記録した。平成23年12月26日に、中国蘇州市において江文蘭氏インタビューを行い、評弾に関する芸の伝承に関する芸談並びに声の技法についてのお話を映像に記録した。江文蘭氏は一時、蒋月泉の相手を勤めていた人物であり、蒋月泉の芸に関する貴重なお話を伺うことができた。平成23年度には評弾の歴史的音源集「弾詞流派唱腔大典」に所収の各調について基本ピッチとテンポを分析し、各調の特徴について考察した。評弾の研究成果の一部については、平成24年7月に開催予定の東洋音楽学会西日本支部例会(於京都教育大学)において公表する。 また、平成22年度に引き続きパンソリと評弾に関する歴史的音源資料・映像資料並びに文献資料の収集を行った。本研究の成果は、平成24年6月30日発行予定の『音楽教育学』(第42巻第1号、日本音楽教育学会)に掲載される。掲載論文のタイトルは「東アジアの語り物音楽研究-義太夫節・パンソリ・評弾の比較を通して考えたこと-」(全8頁)である。この論文では、義太夫節・パンソリ・評弾を「歴史」「演奏様式」「発声と声の技法」「伝承」の各視点に沿って比較することで、それぞれの特徴を明らかにした。
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Research Products
(5 results)