2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520151
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中川 真 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40135637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悦子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 病院講師 (60369684)
増田 聡 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50325304)
諏訪 晃一 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (50440962)
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Keywords | 芸術 / コミュニティ創出 / アジア型アーツマネジメント / 社会的包摂 / 東日本大震災 / マイノリティ / ネットワーク / 民俗芸能 |
Research Abstract |
本研究は実践研究であり、社会的包摂の現場に赴き、そこでの芸術の役割、意義等を考察して芸術の新たな活動の場を提言、確保することを目的としている。平成23年度が最終年度であるため、これまでの研究の集大成をまとめる計画をしていたが、平成23年3月11日に東日本大震災が起こったため、予定を若干変更して、津波被害後のコミュニティ再生あるいは再創出の過程と芸術、とりわけ現代アート、民俗芸能とコミュニティの関わりについて重点的に調査を行い、本研究課題の重要性を再確認するとともに、更なる課題の発見に務めた。研究成果としては、野宿者、重篤な入院患者と家族、高齢者と介護者、新移民などのエスニック・マイノリティ、(地震などの)激甚な被災者、障害者などといった社会的弱者が生活する被排除傾向の場において、包摂・融合への強烈なベクトルを生み出すアートの力を明らかにすることができた。.またその過程で、アーティストが新たな場と出会うことによって、これまでにない芸術表現を生み出すことができるのも確認できた。そういう点において、芸術にとっても社会的包摂の現場にとっても有意味な研究になった。また、自然災害を含め、様々な社会問題を抱えるアジア諸国にも本研究は適用可能であり、そこから実効性の高いアジア型のアーツマネジメント論が生まれ可能性を示唆できたのも大きな成果であった。研究代表者は、そういった観点から、アジア諸国とりわけ東南アジアの研究機関とのネットワーク構築も開始しており、本成果がアジア諸国で共有され、次の研究ステップへと繋がっていく段階へと移行している。
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Research Products
(19 results)