2011 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀イギリスにおけるモダン・タイポグラフィの形成過程に関する研究
Project/Area Number |
21520159
|
Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
山本 政幸 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (80304145)
|
Keywords | タイポグラフィ / グラフィックデザイン / エリック・ギル |
Research Abstract |
平成22年度に引き続き、20世紀イギリスにおける書体デザインの巨匠エリック・ギルの仕事を主たる対象としながら、周辺の動向も含めた調査研究を継続した。 6月には、日本デザイン学会研究発表大会において「ダグラス・C・マクマートリーによるモダン・タイポグラフィのアメリカへの導入」を発表した。1920年代から30年代の中央ヨーロッパで発達した近代的なタイポグラフィのアメリカでの影響関係をとらえ、イギリスにおける展開との対比を試みた。 10月には、DIC川村記念美術館で開催された「視覚の実験室-モホイ=ナジ/イン・モーション」展の関連講演として、「モホイ=ナジのタイポグラフィ-コミュニケーションの発見」を発表した。構成主義の芸術家としてバウハウスで教鞭を執ったモホイ=ナジは20年代に「新しいタイポグラフィ」の考え方を打ち出した先駆者であり、30年代にはロンドンにも滞在して新しい伝達メディアを意識した幅広い造形・デザインの発展に貢献した。そうしたモホイ=ナジの創作活動のうち、タイポグラフィに限定したデザイン・執筆活動を整理した。 前年度から本年度12月に延期となったギルの展覧会の開催にあわせ、碑文の拓本や文字デザインの原図の追加撮影を実施するとともに、国内外の書体デザインや書籍印刷に関する専門家の論文を加えて作品集を制作した。 同展覧会期間内にはギャラリートークを開催するとともに、地域の小学生の鑑賞授業に協力した。東京都図画工作研究大会にあわせて地域の小学校6年生28名が、後日には多摩市立連光寺小学校5年生83名が来場し、鑑賞の実践授業が行われた。また鑑賞授業を経た多摩市立瓜生小学校6年生32名にはさらに技術的なサポートを提供し、子どもたちによるオリジナルのフォントを完成している。
|
Research Products
(4 results)