2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520161
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Research Institution | Tokyo College of Music |
Principal Investigator |
小日向 英俊 東京音楽大学, 音楽学部, 非常勤講師 (00399742)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 音楽学 / 南アジア音楽の受容 / ワールドミュージック / 現代日本の音楽文化 / Acculturation / 文化変容 / 伝統 / インド |
Research Abstract |
1.南アジア音楽受容資料の整理:収集済視聴覚資料の整理を継続し完了した。今後、http://kaken.musinglobe.com/に掲載予定。 2.定点観察:京都、名古屋、東京で、南アジア系音楽の奏演事例を継続確認。南アジアの音楽をよりよく理解させるためのワークショップ形式が増加傾向にあることも観察できた。 奏演の場で聴衆との「真の」「深い」交流を求めるために、南アジア音楽の理論的側面に関する啓蒙的活動が実演家たちから立ち上がる事象は、今後の日本社会における南アジア音楽理解にとり、大きな意味を持つと考えられる。 3.南アジアを題材とした日本人作曲家の作品: 日本人作曲家によるインド関連作品についての調査。西洋音楽の教育を受けた日本人作曲家たちが、南アジアを題材にした作品を創作していることが判明した。いわゆるタゴールソングとして明治期に受容されたラビンドラナート・タークルの詩は、それらにインスピレーションを与え、タークルの詩を元に合唱曲なども創作されている。インドネシアの民謡などを題材とする合唱作品なども存在することも知られており、異文化の音楽が日本人作曲家の創作の源泉として機能していることは、異文化音楽受容の研究にとり、重要な観点である。 4.学術シンポジウムの開催:「インドを奏でる人々一その音楽受容と変容一」(2013年1月19日、日本音楽学会支部横断企画と共催[http://bit.ly/20130119indo])の開催。7名の実演者(研究代表者含む)による4ステージの奏演と、4名の実演者と3名の研究者によるシンポジウムの二部構成とした。舞踊を含めた伝統的インド音楽の奏演と、日本における変容を経た奏演を実演と録音物により紹介し、これらの創作の背景などを巡るシンポジウムを行った。現代日本における南アジア音楽のあり方を一般に公開した意義は大きいと考える.
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Research Products
(7 results)