2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520163
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Research Institution | Musashino Academia Musicae |
Principal Investigator |
内藤 忠勝 Musashino Academia Musicae, 音楽学部, 教授 (70445831)
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Keywords | 藝術諸学 / 演奏 / ソルフェージュ |
Research Abstract |
当該年度においては、音楽能力についての意識調査のための項目を作成し、ピアノ専攻の学生及び音楽大学の教員や演奏家に前記の項目によるアンケートを実施し、学生と専門家との音楽能力に関しての意識の違いを検証することが主目標であった。 実施した調査内容は次のとおりである。 1)音感について--5項目、2)拍子とリズム感について--4項目、3)音楽リズムについて--3項目、4)読譜について--4項目、5)各種音楽理論と演奏との関連について--4項目、6)音楽表現の実際に関して--5項目、7)音楽の記憶(暗譜)について--3項目全体28項目で実施した。 調査は、学生156名、教員及び演奏家130名に実施し、学生100%、教員及び演奏家61%の回答を得た。その結果次の事が検証された。 「学生」と「教員及び演奏家」との回答内容の差が大きかった項目は、5)「音楽表現の実際に関して」であり、音楽を単に「楽音の流れの集積」として捉える傾向が強い学生と「音楽語法」として認識している教員及び演奏家との意識の違いがこの調査のデータに表れている。この項目は「音楽表現」という「演奏能力」において重要且つ本質的要素の「意識」に関する項目であり、22年度~23年度前半に掛けての検体に対する指導法の具体的な内容に関して、検証の結果が大きな指針の一つとなり、教育の為の適切な教材作成及びその効果の検証を経て、音楽能力を確立する有効な教育法を期待する事ができる。これにより今回のアンケートの有効性を確認することが出来、アンケートの設問内容も、概ね演奏に必要な音楽能力(演奏技術を別にすれば)の概要を網羅したと思われる。
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