2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本の文化政策における創作活動振興のあり方に関する研究―1980年代の検証から
Project/Area Number |
21520167
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Research Institution | Showa University of Music |
Principal Investigator |
石田 麻子 昭和音楽大学, 准教授 (50367398)
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Keywords | オペラ創作 / 舞台芸術作品委嘱 / 芸術・文化政策 |
Research Abstract |
研究代表者は『日本のオペラ作品』等の著作において、日本のオペラ作品創作のあり方について、社会との関わりの視点から考察してきた。本研究では、大規模な舞台芸術作品であるオペラを創作上演する際に、オペラ団体と上演の場としての劇場・ホールとの連携が不可欠であることを前提としながら、行政、地域のメディア、ホール、各機関の関わりを中心に検証した。その際に、多くのオペラ作品が創作されるようになる1980年代以前とそれ以降の違いについて、ホールの建設による周年行事等との関連などを検証し、さらにメディアとの関係や行政の果たした役割などを明確にした。また、創作された作品がレパートリーとして定着させるための手法開発を目的としたヒアリング等を実施し、そのためには初演以降再演が可能となるような制度設計が必要であるとの認識を新たにし、研究を進めた。結果として以下のような3つの項目を軸に研究をまとめた。 [1]「日本の舞台芸術政策における創作活動の位置づけ」を明らかにするために、1980年代を中心とした舞台芸術政策の一般的な動向についてまとめた。その上で、舞台芸術政策におけるオペラ創作活動の位置づけの整理を行った。 [2]「創作活動と上演環境の整備の連動を検証」するために、1970年代までのオペラ創作活動の主体を整理した。それらを踏まえて、1980年代の日本におけるオペラ創作活動に関する詳細な情報の整理を行い、初演された106作品の情報をデータ化した。これによりオペラ作品の委嘱主体としてのホール、オペラ団体ほかの役割を検証した。 [3]我が国で創作上演された作品が、今後レパートリーとして定着するための制度設計を明確にした。
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Research Products
(8 results)