2010 Fiscal Year Annual Research Report
中世における談義書の研究――天台論義を中心として――
Project/Area Number |
21520175
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渡邉 麻里子 弘前大学, 人文学部, 准教授 (30431430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 良峻 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30213664)
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Keywords | 談義書 / 天台 / 尊舜 / 論義 / 天台深極抄 / 天台伝南岳心要見聞 / 論題集 / 中世談義 |
Research Abstract |
○具体的内容 (1)2010年5月28日~31日、中世文学会春季大会シンポジウム発表(於)法政大学 シンポジウム「寺院資料調査と中世文学」において、渡辺(研究代表者)が、「天台宗系寺院資料から考える中世文学研究の可能という題目で発表を行った。 (2)2010年11月12日~13日、天台宗教学大会発表(於)叡山学院 渡辺が「尊舜談『天台伝南岳心要見聞』について」、大久保(研究分担者)が「発心仏と発心即到」、藤平(研究協力者)が「六萬九千三百八十四言攷」という題目で研究発表を行った。尊舜談『天台伝南岳心要見聞』は、天台宗で重要書とされる『天台伝南岳心要』について、従来、忠尋と政海の注釈のみしかその存在が知られていなかったが、尊舜(1451~1514)にもその注釈が存在することを報告したものである。その論じられた内容は、論義を分析するにも重要な観点を与えると考える。 (3)第二回研究会2010年11月13日(於)ホテルブルーレーク会議室 渡辺が「妙法院門跡龍華蔵北蔵の典籍について」、都守(研究協力者)が「伝日蓮筆『天台深極抄』について」、藤平が「『論題集』について」の発表を行い、参加者で検討した。今後の活動について、収集書目の選定、論目整理についてなど、検討した。 (4)資料収集調査2011年3月10日(於)叡山文庫 渡辺が、叡山文庫において、『論義所作古実』『論議集』などの書目の調査収集を行った。 ○意義と重要性 『論題集』を中心に、中世論義における論題の変化や、『論題集』における題目所載の傾向、他の論目一覧の可能性など、検討を深めることが出来た。伝日蓮筆『天台深極抄』に関する成果が出され、今後日蓮宗と天台教学について検討する基礎が形成できた。
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Research Products
(10 results)