2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520175
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渡邉 麻里子 弘前大学, 人文学部, 准教授 (30431430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 良峻 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30213664)
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Keywords | 談義書 / 天台 / 尊舜 / 鷲林拾葉抄 / 本朝大師先徳明匠 / 論題 / 論義 / 談義所 |
Research Abstract |
○具体的内容 (1)資料収集調査 ・2012年1.月31日、大久保良峻が、叡山文庫において、密教関係資料の調査を行った。 ・2012年2.月27日~3.月1日、渡辺が、叡山文庫において、資料調査を行った。未見の仏乗院蔵『鷲林拾葉抄』写本、及び、『轍塵抄』写本二種の調査を行った。未見本を初めて閲覧することが出来て、貴重な知見を得た。今後、分析を進めることとする。 ・2012年2.月29日、渡辺が、天台宗典編纂所において、『摩訶止観伊賀抄』などの談義書資料について、資料調査を行った。慶舜奥書について、新たな知見を得た。 ・学生アルバイトを依頼し、収集した資料の写真データの整理を行った。 (2)打ち合わせ ・2012年2,月29日、渡辺が天台宗典編纂所において、研究協力者藤平と、次年度の資料調査の計画や、刊行する報告書の内容について打ち合わせを行った。 (3)論文発表 ・談義書調査の結果として、「身延文庫蔵『本朝大師先徳明匠』と談義書の生成-翻刻『本朝大師先徳明匠(師資)』-」を報告することが出来た。本書は、談義書の形成過程を知る上で重要な書であり、また論義で重視される「先師」についての情報を知り得る貴重な書である。 0意義と重要性 ・談義書資料の収集が、計画以外のものの調査も行うことが出来て、計画以上に順調に進んだ。分析は今後の検討課題であるが、調査収集は極めて順調である。 ・談義書資料の書写奥書と伝領奥書の扱いについて議論し、理解を深めることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の実行内容としては、尊舜の著作『鷲林拾葉抄』および『尊談』の分析は、計画以上に進んでいる。また尊舜の解説した論題の内、成仏論や仏身論などについても、多くの記述を確認し、分析に入っている。また、翻刻がなされていないものについて、順次翻刻を進めることが出来ている。内容としては、(1)の計画以上に進展しているのだが、それを公表する研究会が実施出来なかったため、(2)の「おおむね順調」とした。これについては、最終年度の平成24年度に、まとめて公表するため全体の進捗に問題は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度のため、これまでの三箇年で収集してきた資料の分析整理をより丁寧に行い、公表できる形にすることを目指す。また、より充実した報告内容にするために、妙法院門跡龍華蔵本の調査を行い、'比較検討を加える。(『深義綱目抄』『論文肝心集』など)成果を広く公表するために、公開の研究会を行い、その成果を報告書に反映させることを目指す。現在、計画を変更すべき問題点は特にない。尊舜の扱う論題は膨大なため、主要な項目を、本研究課題で分析し終えるように心がける。
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Research Products
(4 results)