2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520190
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
永池 健二 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (60237493)
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Keywords | 国文学 / 民俗学 / 歌謡 / トナエゴト / 呪的音声 / 神楽 / カタリ / ハヤシコトバ |
Research Abstract |
初年度の21年度は、研究の目的・実施計画に従い、次のように研究を進めた。 1, 現存の祭礼・神事における呪的音声表現事例の音声と映像による記録収集 3年間に予定している実地調査のうち、福島県いわき市のジャンガラ踊り(8月)、土佐の名野川、本川、池川の3地区の神楽(11月)、伊勢湾島嶼部の神事・民俗調査(正月)、宮崎県諸塚村戸下神楽(1月)などの実地調査を実施、正確な映像・音声資料を作成収集した。 2, 文字による呪的音声表現資料の収集 上記の実地調査を利用して、当該地において、それぞれ多数の神楽・民俗芸能関係の文献資料を収集すると同時に、関連調査として、宮城県立図書館(3月)、福島県立図書館(同前)を訪ね、東北南部の神事・芸能にかかわる呪的音声表現の資料を収集した。 3, 収集した資料の分類整理と保存、そのデーターベース化のための基礎作業 収集した映像資料は、分類整理して、すべて利用可能な形でハードディスクに保存。文献資料も複写し、保存整理したほか、スキャナーで読み取り、デジタル化する作業を進めた。 <総括>以上の、研究調査によって、呪的音声表現の研究を進めていくうえでの基礎作業は、大きく前准した。とりわけ、高知県本川神楽と宮崎県諸塚戸下神楽において、ともに「立歌」と呼ばれる歌謡の存在を確認し、その呪的働きを映像によって記録できたことは、特筆すべき成果であった。なお、研究成果の一部は、別掲のごとく国際シンポジウム「東アジアにおける農耕文化とウタ」(2009年8月関西外国語大学)において、口頭発表した。
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