2009 Fiscal Year Annual Research Report
浄土真宗と和歌―真宗仏光寺派と桂園派の関係を中心として―
Project/Area Number |
21520191
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田中 仁 Tottori University, 地域学部, 教授 (80217067)
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Keywords | 浄土真宗 / 和歌 / 真宗仏光寺派 / 香川景樹 / 桂園派 |
Research Abstract |
1. 出張して行う調査 (1) 本山仏光寺所蔵『御日記』、同和歌資料を調査し、必要部分を写真撮影した。 (2) 東近江市蓮光寺(仏光寺派)、同覚成寺(本願寺派)所蔵資料を調査を実施した。 これらは桂園派の形成・展開に真宗仏光寺派の交流圏が大きく寄与したこと、また仏光寺派のみではなく浄土真宗全体が和歌を受け入れる要素を含んでいたことを確認するための基礎作業である。前者においては新たに『理山日記』のうち所在不明であった嘉永五年を発見した。後者においては、覚成寺所蔵超然関係資料を調査し、そのうち、『続山居余課』(超然自筆)、詩歌論集『風湾葦響』(同)等、和歌・漢詩にかかわる冊子と、書状巻のうち歌人・文人の書状を収めた一巻を写真撮影した。これらによって、香川景樹門下とも香川景柄門下ともいわれている超然の師が判明するはずであるし、宗門きっての学僧が詩歌をどのように認識していたかを知ることが可能になる。 2. 鳥取で行う調査 (1) 『理山日記』の固有名索引作成のためデータの一部を収集した。 (2) 『理山日記』から香川景樹関係記事を抄出し、それらに基づいて「『理山日記』の香川景樹」を執筆、公表した。 これらによって、従来ほとんど知られていなかった理山と和歌、理山と香川景樹との関係が明らかになり、仏光寺派と桂園派との関係、さらには浄土真宗と和歌との関係を考察することが可能になると予想している。
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