2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520198
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河合 眞澄 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00169674)
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Keywords | 椿亭文庫 / 歌舞伎台帳 / 番付 / 絵づくし / 演出 / 役者評判記 |
Research Abstract |
本課題の研究代表者は、平成21年度に引き続き、平成22年度には、研究協力省4名(川端・清水(森谷)・鈴木博子・松葉涼子)・本学大学院生1名とともに、椿亭文庫所蔵の台帳(歌舞伎脚本)『扇矢数四十七本』の演出を考える共同研究会を5回開催した。 平成21年度に活字化した台帳を、他の上演資料とつき合わせつつ子細に講読し、必要に応じてパワーポイントによる視覚化した資料を用いて、従来明確でなかった演出上の疑問点を明らかにした。併せて登場人物に関連する遺跡を調査し、台帳内容理解の助けとした。 この研究のために、研究協力者が東京大学・早稲田大学・日本大学等が所蔵する番付・絵づくし・役者評判記等の関連資料を調査し、演出に関する情報収集を目的として歌舞伎学会等に参加した。研究代表者は、演出の考察の参考とするため、8回にわたって現在の歌舞伎の上演実態を調査し、現在まで継承されている近世期の演出を確認するとともに、演出の変化についても確認した。 この成果を踏まえて、研究代表者は椿亭文庫蔵『扇矢数四十七本』の解題を完成し、研究協力者1名は諸本の調査にもとづく論文を活字化した。これをもって、『扇矢数四十七本』については、その大略を把握することができた。 また、研究代表者は『伊勢物語』をテーマとする浄瑠璃・歌舞伎の変遷を、台帳等の上演資料にもとづいて考察し、現在に至るまで定型化している演出などを考察した論文を活字化した。
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Research Products
(3 results)