2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520198
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河合 眞澄 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00169674)
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Keywords | 歌舞伎 / 役者評判記 / 絵入狂言本 / 芸能 / 浮世草子 |
Research Abstract |
本課題の研究代表者は、平成22年度に引き続き、平成23年度には、研究協力者4名(川端・清水(森谷)・鈴木博子・松葉涼子)・本学科目等履修生1名とともに、役者評判記の挿絵を中心とするが増資料にもとづいて歌舞伎の演出を考える共同研究会を5回開催した。 『歌舞伎評判記集成』所収の挿絵を、文字資料の部分や他の上演資料、絵入狂言本や浮世草子の挿絵とつき合わせつつ子細に検討し、挿絵の信頼度および文字資料の部分との整合性などについて考えた。その結果、当時の本屋の出版戦略などを明確にすることができた。 この研究のために、研究協力者が東京都立図書館・国文学研究史料館等が所蔵する絵入狂言本等の関連資料を調査し、画像資料に関する情報収集を主たる目的として、日本近世文学会・浮世絵学会等に参加した。 研究代表者は、演出の考察の参考とするため、8回にわたって現在の歌舞伎の上演実態を調査し、現在まで継承されている近世期の演出を確認するとともに、演出の変化についても確認した。 この成果をふまえて、研究代表者は責任編集として『西鶴と浮世草子研究』第5号「芸能」を刊行し、同誌所収の座談会において近世の諸芸能と歌舞伎の関係についての所見を述べた。同誌付録の芸能関係画像CDのデータも提供した。 また、研究代表者は同じく上記研究会の成果にもとづき、「役者評判記の挿絵に見る出版状況」と題して研究発表を行った。
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