2012 Fiscal Year Annual Research Report
法楽歌分析による寺社縁起との相関関係に関する基礎的考察
Project/Area Number |
21520199
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
石川 一 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (80193283)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 拾玉集 / 法楽百首 / 法華要文百首 / 白氏文集題 / 寺社縁起 / 伊勢神道 |
Research Abstract |
本研究は、新古今歌人慈円における和歌活動を解明するために、その特徴の一つである法楽歌に焦点を絞り、その作品内容を分析・検証することにある。 慈円は四期に分類できる詠歌時期(初学・実験・習熟・自省)のうち自省期に集中する諸社法楽百首群の他に、跋文に日吉法楽と記す「慈鎮和尚自歌合」も含め、これらの序・跋文には慈円による法楽意図が鮮明に表明されている。その法楽意図は、中世以降の思想・宗教に大きな影響を与えいるが、その内容は多岐に亘り、多種多様の構成・組織を成している。同時に寺社縁起との相関関係に解明すべき課題が数多く残されているのである。 そこで、寺社縁起に関する資料の分析・解明に照準を絞り、寺社縁起形成という大きな命題について考究することを目的としている。前回の科研費「寺社縁起形成を視点とした慈円法楽百首群の基礎的研究」(課題番号:17520124)で推進してきた作業に加えて、さらに調査範囲を拡大して行ってきたが、「寺社縁起形成」という命題は一筋縄では行かず、数多の局面で本地垂迹(神仏習合)や各寺社の歴史的沿革などの問題が立ちはだかり、分析にあたっての障壁となることが多かった。もちろん周辺の研究者の動向にも目配りし、遺漏のないように努めた。伊勢神道や仏教学・思想史の分野においても、三崎良周・菅原真海などの天台系の研究者の跡を承けた、末木文美士などの大家による精力的な研究の他、伊藤聡『中世天照大神信仰の研究』(法蔵館・2011)・水上文義『アジア文化の子雄と儀礼』(春秋社・2008)などの新しい成果が公表されている。 こうした研究成果を消化し、それらを踏まえるためには、基本資料の収集・分析だけで「寺社縁起形成」という命題を説明するには多分に無理があり、また違った視点からのアプローチを経て本研究目的に言及したいと思う。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)